先日、稽古後の道場で先生方が集まり茶菓子をつまみながら子供の指導について話し合っておりました。
多くの先生方が自分たちの考えや教育方法について熱く話し合いをするという場があることに感動しつつ、時間を忘れて先生方のお話に聞き入ってしまいました。
その中で「癖」の話が出てきたのですが、そのことで以前ある先生が「癖」に関する認識についてお話しされていたことを思い出したので、少し紹介しようと思います。
多くの指導者は癖を隠す指導をするから、ある程度から伸びなくなる子供が多いという事実
先生曰く、癖というのはその人が剣道をどのように捉え、理解し、どのような考えに基づいて稽古に取り組んでいるのかを知る「目印」なのだそうです。
だから、その人の癖を見て、考えや理解が至らない部分を指摘してあげることができるのだそうです。
ですが、子供のうちに指導者が癖を隠す指導をすると形は綺麗だが理解が深まっておらず、また目印が見えにくくなっているので指導もしずらく「そこそこ形は整ってるけど勝てない剣道」になってしまうのだとか。
例えば右腕に力が入り過ぎている子供に「もっと右手の力を抜いて!」と指導するのは癖を隠す指導にあたります。
右腕に力が入り過ぎているということは、最短最速で面を打ち込むための脱力、左腕の押し込み、中心を抑えるための右手の使い方に考えが及んでいないということなので、そのことを段階的に指導することが必要なのです。
癖を隠す指導をすると子供の思考は停止する
また、右腕の力を抜く意味も解らず、先生に言われたから右腕の力を抜いて形を整えるということをしている子供は思考が停止している状態にあります。
指導者は常に、子供が剣道について考えるよう誘導してあげる必要があります。
その為に重要なことは「子供にとって少しだけ難しい要求をする」ことです。
子供は簡単すぎると飽きますし、難しすぎると投げ出します。
しかし少しだけ難しい、もうちょっとでできそうなことは夢中になって何時間でも取り組んだりするものです。
少しだけ難しい要求という壁を作ってあげることで、子供は自力で少しずつ成長していくのです。
それを繰り返すことで、次の課題を自分で作り自分で乗り越えることのできる人間に成長するのです。
まとめ
剣道は子供の頃に習った基本を老人になっても考え続ける武道です。
小学生で理解が及ばず癖があるのは当たり前と考えましょう。
急いで癖を隠そうとすることは長い目で見ると子供にとって有益な指導とは言えません。
それでも頭を使う剣道を子供のうちに教えておけば、自分で成長することができるので剣友会を巣立った後も、自分で課題に取り組み続けることでしょう。
また大人になって癖を直すときも形ではなく理解から癖を見直すようにすると自分に欠けていた何かが見えてくるはずです。
こうした考え方は剣道だけでなく、日常での子供教育にも必ず役立ちます。
子供が飽きっぽいのは、大人の教育下手が原因かもしれません。
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